原木しいたけと菌床しいたけの違い

しいたけには「原木栽培もの」と「菌床栽培もの」の二種類あります。

きのこの栽培の形態には、おおまかに次のように分類されます。
栽培方法から見ると①原木栽培 ②菌床栽培 、どのような場所で栽培するかで見ると①露地栽培 ②施設栽培 に区分されます。

原木しいたけ(栽培)

原木しいたけは、クヌギ、コナラ等の原木を1mほどに切り出し、しいたけ菌を植え付け、原木の養分を分解しながら自然の中で無農薬栽培されます。
約2年かけて植え付けられた菌は原木全体にはり巡り、しいたけが発生し、春と秋に収穫をします。気候の条件によってしいたけが発生するので収穫は安定的ではありませんが、味・香りともに良く、さらに乾燥させることにより、一層うま味や栄養価の高い食材へとなります。原木しいたけは殆どが乾しいたけとして流通し価格も高価格となります。 
栽培環境 自然栽培(山の中)
培養媒体 クヌギ・ナラ広葉樹
収穫時期 春・秋
栄養 無農薬・木の養分
栽培にかかる時間 約2年
生産 安定生産不可、重労働
流通品 乾しいたけが主流
価格 高価格

菌床しいたけ(栽培)

菌床しいたけは、おがくずに米ぬか、ふすまなど栄養剤を混ぜ固めたブロック(菌床)にしいたけ菌を植え付け、温度、湿度管理された施設内で栽培されます。
3~6か月のサイクルで安定した品質の椎茸が年間を通して安定的に収穫されます。
年中収穫ができるためスーパーなどで見かける生しいたけはほとんどが菌床の生しいたけです。
研究、開発、改良により菌床の生しいたけも原木の生しいたけと遜色ないほど風味も良くおいしくなってきている。

栽培環境 人工栽培(栽培施設(温度・湿度管理))
培養媒体 おがくずブロック(菌床)
収穫時期 通年
栄養 人工養分
栽培にかかる時間 約3-6ヵ月
生産 安定生産可、低コスト、大量生産
流通品 生しいたけが主流
価格 低価格

うま味、香り、歯ざわりは、日本産原木乾しいたけの特徴です

食用きのこは、生しいたけをはじめ、えのきたけ、ぶなしめじ、まいたけ、ひらたけ、なめこ、それに近頃はエリンギ、はたけしめじ等の新しいきのこも加わり数多く出回っています。しかし、それらの中で、乾しいたけの「うま味、香り、歯ざわり」は愛好家の中でも折り紙つきです。また、他の食用きのこと違い、極めて自然に近い方法で栽培を行っている日本産原木乾しいたけは、安心して召し上がっていただけます。

きのこは自然健康食品として親しまれていますが、その中で、乾しいたけ、それも日本産の原木乾しいたけは、美味しさ、安全・安心感の点で、“王様”の名に恥じない「きのこの中のきのこ」といえるでしょう。

“資料提供:日本産・原木乾しいたけをすすめる会”